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去りゆく君へ

川の流れに乗って、枯葉が流れて行く。

いったい、何処へ流れ着くのだろう。

中には淀みでいつまでもグルグルとしている枯葉も、いつか水を吸い、沈んでしまうだろう。

そんな事を考えながら、釣り糸を垂れていた。

枯葉と同じように、自然の流れに任せ流した私の毛針に、魚が食いついた。

私はその瞬間に、釣り糸を張り、魚の口に毛針が刺さるように操り、

魚は急に訪れた不自然に驚き、暴れた。

私はその抵抗を、また、その抵抗に敗れてしまうかもしれないというスリルを楽しみながら釣り糸を手繰り寄せ、魚を傷付けないためのネットで掬った。

魚の口に刺さった針を外し、魚を川へ放す。

いわゆる、キャッチ&リリースってやつだ。

アメリカやヨーロッパではもはや普通であるこの行為も、未だ日本人には定着していない。

流れて行く、流されて行く、淀む…

色々な人生があるから楽しいのではないかな。